音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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愛は思うまま LET'S DO IT / 吉田美奈子 (1978/2015 BSCD2)

吉田美奈子は別格ですな。この手のジャンルと言いますか、便宜上、現在カテゴライズされているシティ・ポップの中では、完全なるラスボスと言った気がします。そう言う枠で語るなと言う話が先か。

この緩く気怠い雰囲気が全体的に漂いながらも、それを聴かせるものとしてしまうあたりが、正に圧倒的存在感。

この時代の吉田美奈子が神格化されているのも分かる気がします。脂が乗っていると言った生温い表現では物足りない。神懸かっている存在だったと言ってもいい。

いやはや。ファンクでイケイケなのが吉田美奈子だと思うなかれ、か。内省的でありながらも、ここまで聴かせる作品を仕上げていたとはね。

ラブ・トリップ / 間宮貴子 (1982/2012 CD-DA)

秋元薫に続き、これを。こちらも稀少盤と言われていたらしいですが。

いや、これはいい。こっちはいい。

全体に漂うメロウさ加減と、それを縁の下でさり気なく引き締めているナルチョ(鳴瀬喜博)のベースラインが素敵な、スウィートメロウアルバム。これはシャレオツ。

一発通して聴いた時点では大がかりな勝負曲は存在しないように感じられたのだけれども、それよりも全体的に流れる得も言われぬ都会的な流れと言いますか、うごめきと言いますか、早い話が今風に言うならばグルーヴが、ミッドなBPMの中で心地よく渦巻いているのですよ。

これは愛聴盤になれる作品。今後どこまで再生回数を伸ばせるかな。

cologne (+2) / 秋元薫 (1986/2020 CD-DA)

宣伝文句の作り手と言うのは、いかにしてそれを売り込むかということに長けているわけでして。

そこにちょっと騙されちゃったかな。紹介文にゴリゴリにゴリ推しされて買ってみたけれども、非常にごくごく普通の80年代ポップスでしたね。

確かに参加ミュージシャンは錚々たる面々ではあるのだけれども、その華やかさが肝心のボーカルに乗ってこないように感じられたのであります。フックになる要素が薄い、もしくは無い、と言った感。

もう1度くらいは聴くかもしれませんが、その時に新発見がなければ、それ以降はないでしょうね。

現時点ではそう言う感想で。

メランコリー・グレース / ジャン・ロンドー (2021 192/24)

昨日から聴き進めているジャン・ロンドーの新作。

今回の作風、音色と言ってもいいかもしれないが、それはタイトルが表わしているような色の世界。

それはどこか鬱々とした色彩でもあり、連綿と紡がれてきた音楽の歴史による恵みでもあり。

ジャン・ロンドーはハープシコードの魔術師であると同時に、色彩を描き分ける画家のような芸術性を持った人物であると、改めて再認識。

今作はその芸術性を突き詰めてハープシコードと向き合った作品であるかのようにも思えてくるのです。それを弾く自らが持つ内面的世界と、楽曲が持つ内面的世界の融合。そして化学反応。

重さを持って聴かせてくれる音楽がここにはあります。

上ミノ / 鈴木みのり (2020 FLAC)

フライングドッグレーベルサウンドの王道を行ってますね。どこをどう切り取ってもフライングドッグ。キラキラポップとでも言いますか。

ボーカルも声優らしさを上手に使って、イヤミにならない程度の味付けがされている。聴きやすい声優ソングとも言えるかな。そう言う意味では絶妙なバランス加減なのかもしれませんが。

あまりにもフライングドッグと声優とのコンビネーション、掛け合わせに過ぎて、その路線から逸脱していないところが瑕と言えば瑕か。

Personal Terminal / 小松未可子 (2018 FLAC)

何となく目に止まったものを再生してみよう。

と言うことで、小松未可子。

いいですね。聴きやすいアルバムです。なまくらな聴きやすさではなく、音楽的にそれ相応の主張があってこその聴きやすさ。ロックをやるぞと言う意気込みがそこはかとなく伝わってきて、聴いていて飽きることがなかった。

今日はこんな感じの掘り下げをしていこうかしら。暇なので。