音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

当コンテンツではアフィリエイト広告を利用しています

Sweet16 / 佐野元春 (1992/2014 96/24)

今晩は私の週末につき、バーボンのソーダ割り、それも薄めに作って飲みながら、まずはこのアルバムを聴くとはなしに聴いていた。

まぁ、一週間も頭を使えば、休みに入るにはそれなりに回転を落とす作業が必要になってきますよね。そんなこんな。

Sweet 16

and... / 上白石萌音 (2017 96/24)

最近の自信に満ちてパーンとみなぎっている感覚の上白石萌音も大好きなのだけれども、この時代のまだどこか繊細さが勝る感覚の時代の作品もよいよね。

「ストーリーボード」に至るまでの見事な流れ。全てはこの曲のためにある。朝から泣ける。

and...

Black Radio Ⅲ / Robert Glasper (2022 96/24)

ロバート・グラスパーのこの作品と宇多田ヒカルの最新スタジオアルバムを並べると、不思議と共通した何かが見えてくるような気がして興味深い。近しい匂いがする。

音楽のモードが捉えられるような感覚とでも言えばよいか。もしくは現代の夜を創造する音楽とも言えるのかもしれない。

などと考えながら緩やかに一日を終えるべくこれを。思考の深追いはしない。

Black Radio III

glow / 水瀬いのり (2022 FLAC)

水瀬いのりの作品は1stから何気なく手元にあったのです。なぜなのかは自分でもよく分からないのですが。ところが完全に死蔵になっておりまして。ようやくここに来て重い腰を上げ、1stから最新作の4thまで一通り聴きました。

結論からすると、最新作の世界観が最も好みです。純粋に好きです。その前提を基にして、以下書き綴ります。

水瀬いのりの歌声は楽曲によって声を使い分ける典型的な声優的歌唱なのですが、その魅力は芯のある可憐さと瑞々しさにあると感じました。有機的なサウンド、トラックとメロディが似合う声質とでも言いましょうか。適度な柔らかさと肩の力が抜けた感覚、「フワッと感」と形容してもよい、優しい陽射しのような声が作り出す世界観に惹かれました。

その世界観が最も顕著なのが最新作であると。それまでの3作はどこか頑張ってしまっているのですよね。その力の入ってしまった元気印なボーカルスタイルは、この歳になってくると聴いていて辛いのです。それこそが典型的な声優ソングである事実も否定出来ないのですが。

そう考えてみると、1stから順を追ってリアルタイムで聴いていたとしたら途中で脱落していたに違いありません。キツい、辛い、痛い、と言った印象を持ってしまったでしょうから。他の声優ソングとの差別化も、それほど上手くは図られていなかったように思えます。

それほどまでに最新作でのこの優しさとそこはかとない切なさあるボーカルに自分は強く惹かれたのであります。楽曲も粒ぞろいで、アルバム全体としてのソフトな色彩による統一感がしっかりと図られ、それが伝わってきます。

歌で無理矢理に背中を押してもらう必要はないのです。ふとした瞬間にストンと心に入り込むような隙間を持った歌が丁度よいのです。もちろんそれは完全に主観ですがね。

その点において、この「水瀬いのり」と言う声優が生み出した隙間は本作品でこそ映えているように感じ取られるのであります。

今後もこの路線が踏襲されるのであれば、この方の存在は自分にとって気になるものであり続けるでしょう。

数年越しの宿題は、大きな成果を持ってこのように自分の前に現われてくれました。死蔵品にふと目が行く瞬間も悪くはないものです。

glow(通常盤)

MODERN TIME / 吉川晃司 (1986/2014 SHM-CD)

布袋寅泰や北島健二の参加が目を引きやすいかもしれないけれども、個人的には打ち込みを中心としながらもそことの落差でキメてくる山木秀夫と青山純のドラム、そしてバキバキな後藤次利のベースプレイに耳が持っていかれるのであります。

もちろんこの時期だからこその吉川晃司の荒削りなボーカルも、聴いていて素直に格好よいのですがね。

MODERN TIME

ヌイグルマー / 特撮 (2000/2020 UHQCD)

仕事明けにこの1枚。強烈にこの1枚。

急に聴きたくなったのだから仕方がない。三柴のピアノにシビれる一時。このピアノがなかったら、たとえそこにいるギタリストがNARASAKIであっても、この音源はスカスカに聞こえてしまうだろう。

それほどまでにピアノのためにあるロックだと思うのよね。過去と今とでは聴くポイントが大きく変わってくるものなのだな。もうこのアルバムと知り合って22年ですよ、22年。

ヌイグルマー