2013-05-19から1日間の記事一覧
蛇足な要素がなく、非常にコンパクトにこのバンドの魅力を伝える1枚。作られたバンドであることは有名だけれども、そこに腐ることなくポップなメロディと硬派な演奏で魅せてくれる。売れ線であることが正義であると証明しているようにも思える。
CDラックを眺めていたら目が合ったので再生。複数の人数で聴くよりは、一人で聴いていたい音楽。空に向けて音は開けているのに、その心は内省に向かうかのような。この作品はどこか頭上を覆う雲のような影があるのだよな。
Disc2を。日曜日の夜ならではの、首筋がじんわりとこって行く感覚に包まれる。かかりつけの医師に言わせると、それがオンオフのスイッチ切り替えの合図らしいけれども。
パンクに完全シフトチェンジする直前のポピュラリティとスピードの同居体。今聴くと「お兄ちゃん、よく頑張ったね」と頭をなでてあげたい気になってくる。ちょっとだけ小っ恥ずかしい1枚。
日曜日の夕方はふと懐かしい音源が聴きたくなる。
想像以上に酷いボーカル。前作との1年の間に一体何があったのかと勘ぐってしまいたくなる。でも小室先生はお仕事をしっかりとしている印象なのだよな。いや、久しぶりに引っ張り出したけれども、思っていた以上だった。これは酷い。
全体的にアップテンポな構成なので心地よく聴ける。ボーカリストの声が涼やかでよろしい。
だんだんとこの人のボーカリゼーションの良さが分かってきた気がする。喉に無理のない発声が心地よい。メロディもそれほど単純でもなかった。彩度のある鬼束ちひろとでも言うべきか。華奢なのだけれども抱擁感もあるような感覚。録音も良い。
繊細で豪快で爽やかで重苦しく、どんな状況にも堪えられる貴重な1枚。今に通じる山下達郎の原点はこの辺りにあるのではないかと。