音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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いかれたBaby / Fishmans (2005)

ここ半年間、張りつめていながらもトリートメントしていたはずの糸が、午前中、ほんの一瞬、一回の深呼吸でなだめようと息を吐き出した瞬間、机にコブシを叩きつけ、常備してあったメンソールを手に、外へと飛び出し、その時には既に切れて風に流されていた。空はひたすらに広く、ひたすらに遠く、ひたすらに青かった。雲だけが早々にその場を立ち去っていった。

結局午後は、昼を回っても仕事にはならず。15時を前にして、無理矢理上がる。

19時過ぎ、ゆったりと風呂に入り、十分な厚着をしてビールを買いに出かける。CDウォークマンにはFishmans。最初の店でビールを買い、それを空ける頃には、時折かかっていた雲もなくなり、ただ、空のど真ん中に月はあった。コンビニの駐車場で自転車にまたがり、首は常に上空を見上げ、ヱビス黒を空け、次の店で再びヱビスを買い、そして月を眺めながら、道路のど真ん中をフラフラと自転車で走っていく。セディールは2錠目でも効果を現しはしない。ただ、月だけが皎々と、そして耳元で佐藤伸治が何かを囁く。路肩に張る氷を踏みつけながら、ちっぽけな轍が自分の証拠を残し、間もなく消えてしまう。