音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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HEART / L'Arc〜en〜Ciel (1998)

東京での放映から数ヶ月遅れて?こちらでもオンエアされたアジアライブのドキュメンタリを見た。たまたま家に転がっていたサンプルのタバコを開けたはいいが、この上ないまずさで、ビデオを止めては、やけに冷気に張りつめた空の下ベランダ用スリッパを突っかけてタバコを買いに行く。

ビデオが終わり、換気扇を止める。部屋に入り、たばこ臭さが残るのを嫌って、匂いのきつい香を焚きながら、これを聴きつつ、ビールとタバコを進ませる。タバコは喉と匂いにやさしいD-specものを。そして灰皿の中にはコーヒー屑。明朝、いつもよりも30分は早い出勤、遅刻が絶対に許されない朝の存在が頭の足枷になって、時折タスクトレイの数字に目を走らせる。矛盾を矛盾の筵で覆い、決定的に臆病。臆病である自分に怯える夜。携帯の電源を切り電話線を抜く。弱虫な自分を優しい言葉でなじる者が窓の隙間から入りこむことを滑稽なまでに恐れる夜。

あまりにもおざなりで、あまりにもステロタイプな作りの番組でも、最後に流れた「虹」に何かを感じてしまう単純さ。もう8年も経とうとしてるのか。

そろそろL'Arc〜en〜Cielのライブに行くのもいいな。次のアルバムがいつになるのかはわからないけど、どの夏だったかも忘れてしまった夏の再生と、あれからどれだけ経ってしまったのか、一ケタの勘定すら億劫でならない、あまりにも適当な晩に。

こういうときに、誰にも邪魔されることなく一人であることを嬉しく思う。好きなだけ深みにはまって、好きなだけ格好つけて時間を潰していればいい。また、何も考えずに鍵を閉めて外へと出て行く朝になり、やがて鬱々とした思いの全てをぶつけるだけの単純作業に没頭するでもなく没するだけの毎日を繰り返していればやがてお迎えはやってくるのだろうし。