音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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すとーりーず / ZAZEN BOYS (2012)

昔から向井秀徳の作る音楽とは相性が悪かったのだけれども、今作は妙にWeb上での評価が高かったので「どれ、10年ぶりくらいに聴いてみるかね」と手を出して後に激しく後悔。ラップのようなポエトリーリーディングのようなボーカルの世界はバンドの特性として受け入れるとして、和音のようで不協和音を奏でているような四方八方を向いたサウンド作りが耳に厳しい。普段から甘い音楽を聴き過ぎなのだ、と言われてしまえばそれまでだろうけれども、それにしても自分との相性はやはり悪いよ。時折思い出したかのように我に返る作品にはこちらも安心するのだけれども、それでも「やっぱ止めた」的なサウンドの暴走(しかも理路整然とした暴走)を聴いていると、やはり「一抜けた」と思わざるを得ないわけで。

これ、もう一回聴けるかな?ちょっとインターバルを置いて聴いた方が良いかな?体調の問題なんかもあるかもしれないし、酒に酔ったら楽しめるかもしれないし。とりあえずやっぱりしばらくはいいや。

思うに、この作品をWeb上で語っている方々は、向井秀徳の作り出すサウンドに十分耳が慣れている人たちであって、向井秀徳を受け入れている人たちがその多くであって、そこにアンチ向井といっても過言ではない自分が入りこんだところで、仲間に入れてもらえるはずがないのも当然のことだ。そこまで読み取れなかった自分の負けを潔く認めよう。そして自分もまた、自分では慣れている音楽に対して、その慣れている耳の文脈で物を書いてしまっていることを認めながらメモり続けて行くしかないのだと思った次第。

あ、良い勉強料になったじゃない。