とにかく近年の桜井節と小林節のマンネリさ加減にはうんざりしていたので、今作も大して期待はせずに臨んだのだけれども、あれ？思っていたよりもよい。ラジオやテレビで見る限りでは桜井の歌唱力ですら崩壊状態に聞こえていたのに、アルバムとして通して聴いてみると普通に安定している。メロディも確かに頭一つ抜きんでたものはないけれども、それでも比較的小粒でも揃っているという印象。相変わらずピアノとストリングスも大量に投入されているけれども、それもまた曲として破綻する域までは手を出していない。
うーん。自分の耳が近年のミスチルに慣れてしまったのか、これくらいのミドルテンポが耳にしっくりくるようになったのか、それともやはり桜井はメロディメーカーなのか、何が何だかよくわからなくなってきた。
とりあえずは安心して聴ける。耳にも優しい。アルバム全体の雰囲気も優しい。ここ5年程のメロディ＆アレンジの低迷っぷりは一体何だったんだろうか。
