音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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D404ME / 中森明菜 (1985/2012)

このアルバムはリマスタ盤を持っていなかったので、今、改めて2012年リマスタ盤で聴いてみると解像度の抜群な向上が見られて心地よい。

2012年や2006年のリマスタシリーズの良いところは、音圧競争に走らなかったことにあるのかもしれない。もちろん音圧は稼いでいるけれども、音を潰すまでには至らないというギリギリのセンスの良さ。リマスタなんてものは、当時鳴っていた音をクリアに生まれ変わらせるだけで十分なんだよ。S/N比という言葉がほとんど聞かれなくなった今(いや、あるかもしれないけれども)、もう、ノイズを音でマスキングするという行為は必要ないのだから。

それはともかく、気合いの入ったアルバムだな。色んな意味でAKBあたりのアイドルに爪の垢を煎じて飲ませたい気分だ。売れればいいってもんじゃないぞ。楽曲で勝負するアイドルだっていたのだぞ、と力説したい。大人が聴いてもほっとできる作品を作っていた当時のアイドルとそれを作り出していた人たちというもののエネルギーを再確認させられる1枚。