作業をしながら何気なく聴いていた。「あぁ、この人たちは何年経ってもLUNA SEAなのだな」などと思いながら作業をしていた。そのうち何かが引っかかり始めた。あまりにもLUNA SEA過ぎるのだ。どこをどう切り取ってもLUNA SEAとしかいいようのない音の世界。もちろんこのボーカルがいる限り、LUNA SEAはどこをどう切り取ってもLUNA SEAになってしまうわけだけれども、それにしても、あなた、いくらなんでもそれはないじゃない。
気がつくと作業の手が止まっていた。全身全霊LUNA SEAに捧げている自分がいた。そして思う。「このアルバムは化けもんだわ」。一度でもLUNA SEA耐性が身についた人間にとっては、それを欲さずにはいられない究極純度のLUNA SEA成分。ライナーには「美学」などと書かれていたが、そういうものじゃない。もっと麻薬的な何かだ。LUNA SEAの恐ろしさは、誰にも真似出来ない音世界の構築に長けていることにある。それを今の今になっても同じ事が出来ると言うだけでも、素晴らしいじゃないか。これはマンネリとは違う。自分たちのカラーをもってして、一つのキャンバスを塗り固めていくという共同作業におけるある種の奇跡だ。
毒をもって毒を制す。LUNA SEAという毒は同じくLUNA SEAという毒を平らげる人間たちにのみによって理解されていく。それでいい、それがいい。それがLUNA SEAというバンドに対する最大の賛辞ではないかと。
ちょっと、これ、もう少し心を落ち着かせてから聴くわ。今は平常ではない。
