インディーズへお帰りなさい、UNLIMITS!
ということでメジャーにて曲の作り方、構成方法をしっかりと学んでインディーズに戻ってきたことがよくわかるアレンジ力。メジャーでは曲を絞り出すかのように作り上げていたことが聴いているこちら側にも伝わってきて辛い、もしくはそれがこのバンドのカラーを薄めてしまう結果になる、という状況を見てきたからこそ、今作でここまで立派になって戻ってくるとは想定外の結果だった。
例えばAメロで「ん?ちょっと弱いかな?」と思った曲があっても、その後のサビへの展開、間奏、大サビなど、しっかりと曲を「構成」している力があることを曲として証明して見せている。上手くなった。バンドを続けていれば演奏力は当然上がって行くとしても、構成力だけはセンスの問題もあるし、バンドとしての呼吸の問題もあるし、そうそうグローアップする要素でもないのだけれども、これもやはりメジャーでプロデューサーを立てて鍛錬した結果だったか。
メジャーに行ってからの苦悩を目の当たりにして、このバンドから離れてしまった人たちも、是非、確実にパワーアップして戻ってきているUNLIMITSに耳を通して欲しいと思うし、またそれに見合うだけの力量を持った作品に仕上がっていると思います。
個人的にはジッタリン・ジンの「Don't Let Me Down」をカバーしてくれただけでも、ご飯3杯行けます。僕の記憶が間違っていなかったら、UNLIMITSはカバー音源はリリースしていない気がするのだけれども、もしそうだとしたら、初のカバーがこの曲というのはとても嬉しいな。20年も昔のバンドと、20年後のバンドを繋ぐ糸としてこの曲が存在しているという意味でもあるのだから。リアルタイムに両方の曲を味わえる楽しみは、この歳まで生きてしまったことの醍醐味でもあります故。