やくしまるえつこの声がいきなり表情豊かになって、この人のこのバンドにおけるボーカリゼーションの完成を見るのだよね。楽曲もバリエーション豊かに。
ところがやくしまるえつこがソロで積極的に活動をし、数々のセッションをこなすことでボーカルスタイルも随分と大きく変わってしまった。
多分、その段階でもうこのバンドでやることはやってしまったのだろうな。「相対性理論」というバンドが、結局は事実上の解体を迎えることになったのは、もうバンド側がやくしまるえつこを必要としなくなったという見方も出来るかもしれない。
その後の方向性としては惰性で活動をしていくか、大きな方向転換を図るか。とにかくやくしまるソロとの差別化を図らなければならない局面にあったのだろうな。その辺の舵取りが上手く行かなかったのか。
バンドアンサンブルは格段にテクニックが上がっていただけに、その一歩先を行ってしまったやくしまるえつこを擁することが出来なくなったのは残念な話。そして、あまりにもありがちな話。