音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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犬は吠えるがキャラバンは進む / 小沢健二 (1993)

しかしこのアルバムでのドラムとベースが紡ぎ出すグルーヴ感は一体何なんだろう。小沢健二本人がもちろん意識をしてこの演奏とミックスを要求したのだろうけれども、これがなかったら、確かに薄っぺらな文学青年の一人芝居に終わってしまったことだろう。この太さがあってこその音楽としての成立、と言っても大げさではないかもしれない。

小沢健二に対して「カローラⅡ…」のイメージを持ち続けている人にとっては、きっとこのアルバムはカウンターパンチになることだろうな。僕にとって、20年聴き続けていても一番解釈が難しいストレートなアルバム。矛盾しているけれどもね。