音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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NUM-HEAVYMETALLIC / NUMBER GIRL (2002)

メジャー3rd。

さて困った。やはり途中で『SAPPUKEI』を聴いておくべきだったか。1stから3rdにすっ飛ぶと、全く異なるバンドがそこにいた。音の洪水の中から顔を出す存在から、空を縦横無尽に飛ぶ存在へと完全に変化(へんげ)してしまったバンドがここにいる。それこそ魑魅魍魎か幽霊のように音世界を自在に飛び回り、確実に音はそこにあるのにつかみ所のない存在へと変貌してしまった。塊だった音は、完膚なきまでに解体され、そこから再構築に挑んでいるかのように音を積み上げる。積み上げた音は素っ頓狂な姿を見せる。その繰り返し。

ただとにかく圧倒された。何を聴いていたのかすら記憶に残っていない。そのくせ耳に残る熱量は確かなものがあり、これが止まない限りはまた再びこの音に手を出すに違いない。完全なる中毒症状。2002年。12年前に自分が何を聴いていたかは記録にしか残っていないが、少なくとも記憶は上書きされてしまいそうな危険なサムシングがここにあった。この遅い出逢いが幸か不幸かは現時点では分からないが、その得体の知れない音像はしばし耳に残ることだろう。

これにて解散。