音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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バッハ:ゴルトベルク変奏曲 / レオンハルト (2008) SACD

初めてのチェンバロでのバッハ体験。これまでもコープマンの演奏の中にチェンバロが加わっていたこともあるけれども、はて、チェンバロで聴くバッハは自分の耳に馴染むか否か、という課題を抱えたまま、クラシックのお師匠様に「聴くならレオンハルト!」と一押しされたので、このSACDを購入。

結果。あら、いいわ、これ。指が紡ぐ音の一音一音が明確で、そしてバッハの曼荼羅感も味わえる。ピアノほど太くなく、どこかオルゴールを彷彿させるような単音感。そのくせ緩急つけた演奏になると、途端に楽器が生き生きと音を紡ぎ出し始める。

残念ながらレオンハルトがどれだけの人物なのか、この演奏が名演なのかどうかは分からないけれども、どの曲も流麗に演奏されていることだけは分かる。

これでちょっとチェンバロに対するイメージが変わったかも。もっと古くさい音が鳴るのかと思っていたけれども、この上なく澄んだ音を聴かせてくれた。これは地味な愛聴盤にしよう。