音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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NO ALBUM 無題 / bloodthirsty butchers (2010)

『yamane』あたりからいつの間にかトンネルに入り込んでしまったブッチャーズの、夜明けの作品だったのだな。たまたま自分の心と実次元とがこんがらかっている時期に聴いてしまったものだから、その希望の明るさに気がつくことができなかった。遺作を聴いてから振り返り、今頃その夜明けに気がつく愚か者。

もちろんブッチャーズの夜明けだった、と今になってから気がついたとしても、気がつかず通り過ぎるよりは格段にマシなことではあるのだが。そうやってその瞬間の感情との食べ合わせで印象が異なって食されてしまうという過ちは今後もあるのだろうな。避けられるものなら避けていきたいものだが。こればかりは一生同じ過ちを繰り返し、後になってからそれが財産だったことに気がつくんだろう。気がつければそれでよいのか、気がつかずに通り過ぎてもそれはそれで致し方ないことなのか。