音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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オールタイム・ベスト / GONTITI (2014)

「GONTITIって物心ついた時からいるよなぁ」と思い、ライナーを開くと一番古い曲が1983年だった。恐らくデビュー当時は、今は亡きニューエイジミュージックと呼ばれるジャンルに位置していただろうし、その後しばらく経ってからやってきたヒーリングミュージックブームの荒波にも巻き込まれただろうし、それでもなお、解散せずに今に至るというのはなんとも素晴らしいことではないかと、ちょっとした感動に勝手に包まれたりして。

コンパイルの妙のせいもあるのかもしれないが、デビュー以降しばらくはギターを弾くと言うよりは、ギターをパーカッシブな道具として音楽を紡ぐという楽曲が目だつものの、後半になってくると、じっくりとギターを楽器として扱うようになってくるという変遷が聴いていて面白い。

おもちゃの庭をひっくり返したかのような前半戦も聴いていて頭の中をくすぐられるかのようで面白いし、ギターという楽器をギターとして真っ当に扱う正当派音楽家としての、それでも遊び心は忘れない後半戦と、この長い2枚のコンパイルは耳を害することを知らない。

小さなヘッドホンを耳に当て、音楽に集中するがごとくボリュームを上げれば、そこはGONTITIの世界。イッツ・ア・スモール・ワールド!と小躍りしたくなるような音の世界が待っている。GONTITIは30年以上音楽をやっていても、全く変わりなくそこにGONTITIとして座していたのだ。