音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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I See You While Playing The Piano / 丈青 (2014) DSD128

初めはピアノとの邂逅を疑わしく弾くような、そして後半に向かうに従い、ようやく両者が慣れてきて音数が増えていくという、ある種現代音楽に近いピアノプレイ。ジャズ畑の丈青からこんなピアノプレイが聴けるとは思ってもみなかった。前半は本当に、静謐に近いものが感じられたので。

それにしても、初DSD5.6MHz音源よ。ピアノのタッチに恐れから自信に至るまでの感情が読み取れるほどの明快さ。くっきりと聞こえてくるベダリング。部屋全体を満たす音の流れ、渦。どれもがこれまで経験したことのない異次元の世界。あえて言うならば、かつて試聴したことのある高級オーディオの音が、このヘナチョコオーディオでも味わえると言った具合か。聴き終えた瞬間思わず「あー、オーディオだ」と呟いてしまったくらい。では、このサウンドを高級オーディオで聴いたとなると、どんな世界が現われるのだろうか。いわゆる「スピーカーが消え」て、ピアノがそこに一台存在する世界になるのだろうか。

非常にマズいものをきいてしまった。これ以降、よほどの名演でもない限り、ピアノの音には満足出来なくなるぞ。オーディオと音楽をくっきりと割り切らないと。

あ、ちなみに、再生には手こずりました。5.6Mなんて再生したことがないので、foobar2000が言うことを聞いてくれず、最初はノイズまみれ。Googleでトラブルシューティングの類いを探して、あちこち細かく設定。これは素人では絶対にわからん。Google先生と情報提供者様々でありました。