こちらも秋の味覚をほうふつさせるような、珠玉のカバーが揃った1枚。個人的に、これまで聴いていたどんなカバーアルバムよりも素敵な作品集に仕上がっているのではないかと思っている。カバーアルバムのトップに君臨する作品。
演歌と歌謡曲と自曲を混ぜてしまえば、大抵、残るのはとっちらかった感覚か、自曲がどうでもいい曲だったり、というパターンなのに、そのパターンなるものにも例外があることを見事に証明して見せた。それらを上手く束ねているのが、畠山美由紀の抜群の歌唱力と表現力にあることは明らかなわけで。
畠山美由紀もベテランの割りには知名度がそれほど高いとは言えないアーティストなので、このアルバムはもっともっとプッシュされてもいいと思っているのが、どうなんだろう。大手レコード店や山野楽器あたりでは展開しているのだろうか。そういう層にまずウケることは間違いないし、僕のように、メイン層よりもやや若い人間にも抜群に響く作品だと思っているのだけれども。
カバーアルバム好きならマスト。歌唱力のあるアーティストを聴きたいのならマスト。なんか、以前も同じようなことを書いてあった気がするなと思った人もマスト。