『2014-11-08』のアーティクルを読んで興味を持った1枚。清春ソロに関しては全くノーマークだったので、ちょっと気になって聴いてみることにした。
重い。とにかく重い。そして『poetry』という単語が全てを表しているかのように、清春の孤独な側面が聴き進めていけばいくほど浮き彫りになってくると言う仕掛け。これは清春の赤裸々な呟きが集められた短編集のようなものなのかもしれない。錚々たるミュージシャンを集めながらパーティを開くわけでもなく、自分の内面を掘り下げるためのカウンセラーを用意したとも言える面持ちで臨む姿勢。ミュージシャンたちも、その意図を理解した上で音を奏でている。
曲順が進むにつれ、清春のロックスターとしての側面が徐々に明らかになっていくのだけれども、それでも閉塞感は拭い去れず、最後の最後「飛行船」では10分という尺を使って、自分だけのギターをかき鳴らす。どれだけの風呂敷を広げたところで、最後は一人芝居であると歌っているかのような澱んだ世界。
これは暗いわ。暗いけれども、清春の持つ側面をさらけ出しているという点では興味深い。重いがためにヘビーローテーションにするのは難しいけれども、冷たさを感じる音楽を耳にしたい時にそこにあると、実は役に立つのかもしれないという1枚。黒夢、SADSでは味わえない世界。