音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

J.S.バッハ:イギリス組曲 / グスタフ・レオンハルト (1974/1997)

出だしからピンと来た。やっぱりチェンバロでないとしっくりこない!と。グールドのピアノが悪いわけではなくて、バッハにピアノの湿気もエロスも必要ない。イギリス組曲なんて、もっとシステマティックな中に音楽としての鳴動を与えるという面白いことをやらないと成立しない。それを成立させる楽器がチェンバロなのだということに気付かされた。

楽器として自分の耳に届く音は決して澄んだ美しい音とは言えず、どこか泥臭さがあるようなサウンドとして耳に入るのだけれども、それがまたバッハから始まるある種の音楽の歴史と相まっていい雰囲気を醸し出すのだよね。

前述のように泥臭い分、常にいつでも聴けるかというと難しいものがあるけれども、バッハの骨格を知りたいと思った時にはいつでも引き出せるようにしておくべき楽曲だと思った次第。何、別にそんなに気合いを入れて聴かなくてもいいんだよ。時折降ってくるヒントのような音楽がバッハの(宗教曲を除いた)音楽なのだから。