なんだ!この風通しの良さは!
ここ数作のeastern youthは何かすっきりしなかったのです。好きなアイテムではあるけれども、観賞用にとりあえず飾っておく的な。ところが今作は、最初から最後まで「聴けよ聴きなよ」と訴えかけてくるエネルギーと何かしらの抜けの良さを感じるのですよ。
eastern youthの根底にあるのは、ダメ人間はダメ人間としても、もがきあがいてそれでも生きて行かざるを得ないという絶望の中にある一縷の希望にすがりつくかのような世界なのだと思っているのだけれども、今回は泥流の底からでも這い上がっていつか太陽を掴んでやるという、ダメ人間にとってはあまりにも大きすぎる希望を、実はいつの間にか手にしていたという結論を描き出したように感じられるのだよね。これまでのeastern youthでは描かれなかった「物語の先」を記した作品ではないかと。
残念なことにこの作品を最後にメンバーの脱退という大きな壁にぶつかるわけだけども、それすらもこのバンドが存在する限りは「それもまた人生さ」と笑い飛ばして次の局面へと向かっていくような気にさせられる、それほどに希望の大きな作品を作ってくれたのではないかと。
本当にeastern youthで久しぶりにガツンと来た。このバンドは邦楽ロックの貴重な財産ですよ。このままで終わらせてはいけない。