何か久しぶりに引っ張り出した感がある作品。近年真綾のライブの傾向を知るにはいいサンプルなのだよね。しかも、多方面での問題作、『シンガーソングライター』を全面的にフィーチャーしたライブとあってはどうなるかという気も最初はしたのだけれども、ライブアレンジになって、音が力強くなったこともあってか、何の違和感もなくつるりとライブパッケージとして聴かせるというのも、実は坂本真綾のボーカリゼーションのなせる技ではないかと思ってみたり。
そこはやはりミュージカルで鍛えられた、歌唱の演技と言いますか、歌唱の適材適所と言いますか、有り体に言えば表現力のなせる技なのでありましょう。いいライブ作品です。これは下手にCDパッケージされるよりも、こうやってそれなりに良い音質で配信としてのパッケージ(矛盾しているけれども)であって正解だと思うのであります。
坂本真綾は確実に前へ前へと進んでいる。10代の真綾も、20代の真綾も、30代の真綾も大好きだ。