この46分を飛び越えてしまう感覚はどこから引きずり出されるものなのだろうか。1曲目を再生する、気がつくともう11曲目が終わろうとしている。その中身は一体どこにワープしてしまうのだろうか。その全てが乱雑に部屋の中に転がり出し、言葉たちの山の前に途方に暮れている自分がいる。
言葉はパズルのように意味がなさそうで、でも組み上げられればきっと何かの絵にはなるのだろう。その制作過程が痛いほどに伝わってくる。出来上がったものは、ミシンの目が残る一枚の絵。目は手術の跡のように肌に残り、それを愛しげに撫でる自分の指が、自分とスガシカオの最新作との接点なのかもしれない。