音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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Sing and Sparkle~たびだちの歌 / 正山陽子 (2016 ハイレゾ 96/24)

AVWatchあたりの提灯記事を読んで「まぁ、あまり期待せずに聴いてみるか」と聴いてみたら、あらびっくり。泣く子も黙ってしまうようなやさしい歌のお姉さん的なボーカルに、どこか昭和めいたメロディが乗るという懐かしくも嬉しい世界観。AppleMusicでの試聴もそこそこに、速攻で購入を決めてしまった。

全体を覆う昭和感と言うのは、もしかしたら戦後間もない辺りの希望を胸に宿そうとするための、ある種の無意識下のプロパガンダであった夢のある楽曲たちに通じるものなのかもしれないけれども、そういった穿った見方は取りあえず脇に置いておいて、自分もまだ生まれていない頃の昭和の残滓がここにあるなぁ、などと気持ちよく聴いた次第。

そして驚いたのがエレファントカシマシ「悲しみの果て」のカバー。突然この曲が始まって度肝を抜かれたこともあるが、この声で歌われると「ああ、この曲は実は昭和な時代の男の歌だったのか」という想像もしなかった新発見もあり、非常に楽しく聴くことが出来たわけであります。これは思わぬ掘り出し物でありました。提灯記事だなんて言ってすみませんでした。