音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

GORO Prize Years, Prize Songs 〜五郎と生きた昭和の歌たち〜 / 野口五郎 (2010 AppleMusic)

ひょんな事からAppleMusicで発見した2010年発売のカバーアルバム。まったくもってノーマークだった。

これが実に色々と考えさせられる作品でして。野口五郎という歌手がいかに「器用貧乏」であるかと言うことがよく分かる作品に仕上がっちゃったとでも言いますか。

新御三家の中でも最も個性の薄い五郎ちゃんだけれども、歌手としても「あれ?ここまで無個性だったっけか?」と思えるほど。カバーアルバムならば、取り上げた楽曲を自分色に染め上げることが最大の目的であるはずなのに、何だか匿名性が強いままに楽曲が次々と流れてしまう感覚を覚える。早い話が曲に歌が負けてしまっているのだよね。収録されている楽曲が昭和の超名曲ばかりだから余計にそう感じるのかもしれないけれども。「自分色」というものが実に薄い歌手だったのだな、と言うことを再発見出来ただけでも、大きな収穫なのではありますがね。

特に「あずさ2号 featuring 布施明」とか、完全に歌い負けしているし。いや、歌い負けすることを前提に作っているとしか思えないこの組み合わせ。

と言うことで、基本的には「なんだかモヤモヤするよ?」というカバーアルバム。手抜きの要素はどこにもないのに、そのくせ何も残らない。漠然としたものだけが、なんとなくそこにある、的な。