スペイン出身のベテランテノール歌手プラシド・ドミンゴと、ギタリスト=パブロ・サインス・ビジェガスとがタッグを組んだ、イベリア半島そしてラテン・アメリカの有名曲集。
甘くそして深いボーカルに、サウダージ感あふれるギターとの組み合わせが、得も言われぬ郷愁を引き起こす。このアルバムの邦題サブタイトルは「帰郷」。
クラシックなのかワールドミュージックなのか。その境界線を引く必要もないのだろう。
聴いているうちにスペイン語圏のどこかへと旅立ちたくなる、この土地に根ざしたような不思議なグラヴィティは、このアルバム最大の魅力。
スパニッシュな雰囲気と郷愁感と言うものは、なぜか切っても切れない縁があるように昔から思っているのだけれども、その印象がさらに強まった感あり。45分間のショートトリップが楽しめる。
録音も秀逸。