音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

ヤン・アントニーン・ロジー:黄金の音符 / ヤコブ・リンドベルイ (2019 SACD)

リュートの名手、ヤコブ・リンドベルイによる、17世紀~18世紀にかけての作曲家ヤン・アントニーン・ロジーによる楽曲集。

バロックの中にもモダンな旋律が時折見え隠れするところに、時代だけに拘束されなかったこの作曲者の視点が浮かび上がるような演奏。

リュートの響きを今に伝える演奏家が、少ないながらも精鋭として存在していることを喜ばしく思っている自分がいるわけですよ。その響きは自分の心を少しばかり低めの所に安定して鎮め留め、時間をゆっくりと進ませるための音としてあるような感覚なのであります。

聴き終えた時にしっかりと落ち着いている心があることを自覚し、そして時間は確実に進みつつもそれを無駄には決してさせない音楽。遙か昔から今に伝えられているその楽器の歌は、超越という単語を伴って今の自分の心に届いているのです。