柔らかく滋味深いシューベルト。
最近になってようやくシューベルトに手を出せるようになりました。
これまでは、その特徴と言いますか、シューベルトならではの個性のようなものが自分にとっては見えづらく、分け入って聴く機会もなかなか無かったのですが、近年録音のホリガーによるシューベルトを聴いてから、そのとっかっかりがつかめるようになりました。
そのタイミングでの1980年前後のブロムシュテットとシュターツカペレ・ドレスデンによるシューベルトのリマスタ再発。
フルオケによるシューベルトがどのような音になるのか、興味を持って聴いた次第ではありますが、実にこれが上品な演奏。どっしりとした演奏でありながら、楽曲の軽やかさが殺されていない。
その「上品」と言う表現が最もしっくり来ると思いながら聴いた次第。滑りが良い演奏とも言えるかもしれません。
もしかすると、それはアナログ録音の高品質DSD化の恩恵を受けているのかもしれないのだけれども、それ以上に元の演奏が彫りの深い、考え抜かれたシューベルトなのではないかと思ったのであります。