音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

STRAY SHEEP / 米津玄師 (2020 48/24)

圧倒的な情報量。

それが米津玄師の魅力の一つだとは思っていたけれども、新作は想像以上のボリュームだった。それは音作りにも言えることではあるけれども、とにかく今作は歌詞が濃い。頭に入ってくる文字を処理する前に、矢継ぎ早に次の言葉が飛び込んでくる。聴き終える頃には、十分な満足感を覚えると同時に、軽い疲れを覚えたのも事実。

僕が前作を聴いた後に、一度も米津玄師をカラオケでトライしようと思わなかったのは、その情報量を自分が処理できるとこれっぽっちも思えなかったからなのだよね。今作も同様。

40代も半ばを過ぎて、30代の青年が作る音楽をまだ聴けるとは思わなかった。いや、米津玄師の場合は聴かせるのだよな。否応なしにその世界観が視界に飛び込んでくる。音楽と言う情報として。

ポップミュージックの作り手の矜持としてか、その枠組みから外れるようなことはしていない。それでもずっしりとした重さを持って届けられるこれらの楽曲から、耳を逸らすことは出来ない。

その音楽としての麻薬ともいえる何かの、後ろめたい人を引きつけてやまない魅力が、世代を飛び越えて訴えかけてくる毒素のようなものとして、体内にジンワリと取り込まれている状態、それが今の自分なのだろうな。


STRAY SHEEP 【Hi-Res】