プロコフィエフの楽曲は、何を表現したいのか時に理解に苦しむこともあるのだけれども、それもひっくるめて面白さが先行するのは、ひとえに奏者の力量によるところが大きいのだよね。
そこでワレフスカのチェロの響き。
この楽曲は高音部が多く、ヴァイオリン的な響きを感じさせる、もしかすると求められるのかもしれないのだけれども、それでも決して耳障りな音には陥らない、ふくよかで滋味深い響きを聴かせてくれる。
聴くからにスペクタクルでサスペンスフルな難曲なのだけれども、その滋味深さが楽曲を楽曲として成立させているのではないかと思えるほど。
演奏も録音も決して新しい物ではないけれども、それだからこその味わいを楽しむことが出来る時間でありました。