自分はヴァイオリン協奏曲を筆頭に、ヴァイオリンがメインとなる楽曲をそれほど多くは聴いてはいない。ピアノと比較するのもなんだけれども、その音色が自分との相性問題で悪い意味で引っかかってしまうケースがあるので。
もちろんヴァイオリンも好みの音を見つけて聴いてはいるつもりだけれども、なかなかそこは自分の中で難しいところがあって。
そこで、このシュタインバッハーのヴァイオリン。
ほとばしるかのようなパッションと、艶やかな流麗さとが共存している演奏を楽しむことが出来るこのディスクの作りのおかげで、ヴァイオリンなる楽器を多角的に捉えられるところが素敵ではないかと。
オケも室内楽団を用いることで、ヴァイオリンへのフォーカスが自然と当たるように感じられるところも、また同様に素敵であると。
総じて、ヴァイオリンの魅力を存分に伝えてくれる好盤だと考える次第。もしかすると、今年聴いてきたクラシック作品の中ではトップクラスに位置するかもしれない。