シベリウスのこの7番は他の交響曲と比較して、実に絵画的なものであると思いながら聴いていた。
これまで自分が好んで聴いている1番や5番は、その点において写実的に映像を切り取った作風に聴いて取れるのだよね。見たもののトリミングを行い、それを提示しているかのよう。
7番は絵に表わしている時点で人の手が加わっている。写真のようなものではなく、描くべき主体にフォーカスを当て、それを強調させるかのように色を淡塗りする作業が行われているように感じ取られる。
その淡さのグラデーションをどのように描くかが、指揮者による解釈の違いとして、また現われてくるのではないかと。