音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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ショパン:ピアノ協奏曲第1番・第2番 / ツィメルマン, ジュリーニ, ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団 (1979,1980/2014 SHM-CD)

ツィメルマン25歳になる前の録音によるショパン。

この、自分をコントロールし、それでいながらエモーショナルかつリリカルな側面もしっかりと魅せる演奏は一体何なんだろうか。演奏に年齢は関係ないのだろうか。

いや、後に弾き振りをするショパンとは異なる要素もある。円熟味を帯びるとともに、表現する力もまた大きくなっていく。それでもここで聴くことの出来るショパンは、表現力などと言う言葉では簡単に片付けることの出来ない魅力にあふれているではないか。

聴き手である自分の耳を引きつけて離さない、聴くことに抗えない魅力。それを弱冠25歳のツィメルマンが演奏をしているという事実。

もう何をどのように表現しても、この音世界を言葉として置き換えることが出来ない。

ピアノは歌い、ピアノは魅せる。音楽は芸術であると納得させられる演奏がここにはある。