音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

メランコリー・グレース / ジャン・ロンドー (2021 192/24)

昨日から聴き進めているジャン・ロンドーの新作。

今回の作風、音色と言ってもいいかもしれないが、それはタイトルが表わしているような色の世界。

それはどこか鬱々とした色彩でもあり、連綿と紡がれてきた音楽の歴史による恵みでもあり。

ジャン・ロンドーはハープシコードの魔術師であると同時に、色彩を描き分ける画家のような芸術性を持った人物であると、改めて再認識。

今作はその芸術性を突き詰めてハープシコードと向き合った作品であるかのようにも思えてくるのです。それを弾く自らが持つ内面的世界と、楽曲が持つ内面的世界の融合。そして化学反応。

重さを持って聴かせてくれる音楽がここにはあります。