マハラージャンによるメジャー2ndフルアルバム。マハラージャンの持つ辞書の中にある音楽を全て詰めこんだかのような、音楽の多彩な玉手箱。
タイトルや歌詞はどこかクスッと笑わせられたり、何かが歪んでいるかのような世界に埋めつくされている一方、その実にある音楽に対する真摯さが全開となって表にグイグイと出ているあたり、確実にこの作品で突き抜けた感が強く、実に痛快。
ベースにあるのは70年代から90年代にかけてのファンクであったり、ソウルであったり、もしくはレアグルーヴといった路線なのだろうと思わせるのだけれども、それを日本人用に調理して換骨奪胎させているセンスも最高にイカしている。
前作はまだ音楽的な手探りさ加減もあってか、比較的出オチのインパクトに頼っていた印象を受けてしまったのだけれども、今作ではその点における迷いが一切ないように見受けられるほど。
通ってきた音楽、好きな音楽を、好きなように咀嚼して、そしてそれを提示するという当たり前のようなことを、当たり前であるかのように形にしているところに好感が持てるのだ。
総じて、ここまで分かりやすくマハラージャンの音楽として表現して昇華させたことを、手放しで喜びたい1枚ではないかと。しばらくはヘビーローテーション決定。控えめに言って、最高。