どうしたPerfume!どうした中田ヤスタカ!
何が起きたのかと解析的に聴くことは出来るのだろうけれども、今は瞬発的な興奮の方が勝っている。
とにかく潤沢、とにかく肉感的。贅沢な作りここに極まれり。
前作のリリースからの数年間、この間の世相の反映からは避けて通れないものがあったのだろうか、ここにあるのは実に「閉じた」Perfumeの世界。
音像はかつてないほどにリッチであると言うのにもかかわらず、そこから漂う空気感はどこまでも内向き、インナーな音の世界観。
それでもウェットにはなり過ぎず、そこから大人のPerfume像を浮かび上がらせて焦点を結んでいるところは、中田ヤスタカのサウンドメイク巧者であるその本領発揮とも見て取れる。
ボーカルスタイル(まさかPerfumeを語る際にこのような単語を用いること日が来ようとは!)もより生身に近い存在感として聴いて取れるところが、このアルバムの最大の魅力ではないだろうか。これまでのPlasticな質感から、よりRealな触感への大きな変化であるとも考えられる。
それにしてもこの構成、潔い。ダレさせることなく一気に走り抜け、スパッと閉幕に至る。この流れもまた新たなフェーズにあるPerfumeの姿であると言える。
正直なところ、もう中田ヤスタカサウンドに真新しさは存在しないのではないか、今作はこれまでの延長線なのだろう?と勘ぐっていたのだけれども、それは大きく裏切られた。なんてグラマラスでなんて大人な音作り。
このタイミングでこのような新しいPerfumeに出逢えるとは。もう一度聴いてみよう。中田ヤスタカのサウンドで同じアルバムを二度連続で聴こうと思えることなど、これまでなかったことだよ?