昼散歩のお供に。
50分程度の作品が散歩には丁度よく。終わる頃に帰宅出来るのでね。
改めて聴くと、このアルバムのキーはピアノとベースの存在だよね。ピアノが暴れれば暴れるほどに椎名林檎の暴れっぷりも痛快になり、ベースが唸れば唸るほどにロックとしての太さがより鮮明になる。
自分にとっての椎名林檎はこの作品一枚に尽きます。これ以降は全て蛇足。あくまでも自分にとって、ですが。
と言うのは、これ以降の椎名林檎作品は全て、今作に根ざす発展系に映るからなのです。この作品に詰め込まれている初期衝動的な才能とパワーが、どんどんと膨らみ爆ぜて大きな花火を打ち上げているかのごとく。
「あの頃はよかった」とは言いません。あの頃がなければ今もない。
とてつもなく凄い一点物の才能に、とてつもなく凄い力添えがありこの『無罪モラトリアム』と言う凄まじいパッケージが出来上がった。それが全てではないかと。近年の邦楽界における衝撃的な出来事であることは間違いなく。