音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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Still Dreaming / Joshua Redman (2018 96/24)

先のアーティクルで、ジョシュア・レッドマンのリーダ作はやや地味に聞こえることがあると書いたけれども、本当にそうだったのかと疑問に思い検証し直すことに。あまり聴く回数も重ねていなかったしね。

あれ。アルバムののっけから茶目っ気も演出もあり、かつソフトなその音色が実に聴きやすいではありませんか。退屈さの微塵も感じられない。遊び心に溺れ過ぎず、端正に真っ直ぐに実にジャズ。2ホーンの掛け合いも面白い。ジャズの祖先、源泉に対するリスペクト精神も存分に感じ取ることが出来る。

加えて先に「ジャズは偉そうに語ることの出来るジャンルではない」的なことを書いた記憶があるのだけれども、ジャズをジャズたらしめる要素としては先人が築き上げたフォーマット、その美学的な何かに対する畏敬の念から急速に派生、発展していったジャンルである、とも言えるような気がしてきた。だからこそ一音楽ジャンルとしての存在が大きいものであることは間違いないだろうと。

そこまで考えさせられるなんて。これはまたしても作品を熟成させていたのか、リリースからの4年間。この4年の間で自分の見てくれはすっかり老いぼれてしまったけれども、この感覚は音楽に対する懐と理解度が広くなっている証拠だと信じたいところ。

STILL DREAMING