音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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Protocol V / Simon Phillips (2022 Spotify)

いつの間にかリリースされていたよ!知らなかったよ!アンテナ低いよ、自分!

直球ど真ん中に剛速球を投げてはストライクを取り、投げられた変化球は余裕綽々でホームランとして打ち返すかのような、サイモン・フィリップスによるジャズ・ロックの単独祭典のような音楽。

いや、ジャズ・ロックなどと手垢の付いた表現で安易に形容してはならない。これはジャズでもありロックでもある、すなわちサイモンによるいつもの『Protocol』シリーズであります。同一プロトコルで君と僕との以心伝心。

何を言いたいのか、そして何を書いているのかがさっぱりわからない。

うん、やっぱりこのシリーズは掛け値なしで格好いいですよ。一見サイモンの定番的な音楽稼業にも思えるけれども、メロディラインであったり曲の構成であったり、また、サイモンのドラムそのものに宿るその筋と節が、自分の中にダイレクトに繋がってくれるのです。

今作は特にメロディ寄りの作風ではないかと。バンドアンサンブル重視であるとも見て取れる。前作が自分の中ではやや消化不良気味だったのだけれども、今作はスルッと入ってきた。

数年前、モーション・ブルー・ヨコハマでの公演を観た際に「あれ?この人、こんなに叩かなかったっけ?」と思うほど裏方に徹していた印象だったのだけれども、ここでも「俺のドラムを聴け」と言った派手なアクションは少ないように思えた次第。それでいながらこの音には存在感があるのだよね。

境地なのかな。どのようなドラミングであっても、自分が叩けばサイモン・フィリップスの音になるという境地。御年65だそうですよ。自分自身のスタイルを持っている人は強いな。

こんなところでウダウダ書いていないで、音源を買わないと。

で、今、某所でこのアルバムのプレスリリースを読んだら「ハード・フュージョン」だってさ!

どう表現しようが、もう何でもありだな。ソリッドでありながら絢爛。ええ、だからこれは『Protocol』シリーズなので。

Protocol V