音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

当コンテンツではアフィリエイト広告を利用しています

Kamereon / Susan Wong (2024 96/24)

リリースされていたことをすっかり失念しておりました。ようやく入手。

香港evosoundが誇る歌姫、その一人、スーザン・ウォンの最新作。今回は日本人ミュージシャンを迎えてのアルバムとのこと。聴き始めるとこれまでの彼女のアルバムが持っていたハイファイなアトモスフィアは若干影を潜め、ずいぶんと取っつきやすい、またボーカリストとしての妙味が冴える作品に仕上がっていることに気がついた。

1曲目に「SUKIYAKI」を配している時点で一瞬「それってどうなのよ?」と思ったのは事実。それでも実際の音とボーカルを聴いてみれば、なるほど今回のクローズアップポイントはスーザンの「声」にあるのだなと得心が行く結果に。彼女がここまで表現のレンジが広い歌声を持っているとは、今の今で全く気がつくことがなかった。

その点を非常にわかりやすく提示させている日本のミュージシャンにも敬服した次第。音楽として手の込んだ作業を極力排して、ごくごくシンプルに構築することに専念したのだろうとも思わされた。

このアルバムは、彼女のアルバムとしてはずいぶんとフレンドリーな表情を持っているのではないかとも思った次第。これは何度かじっくり鑑賞したい気にさせられますね。好盤。

それにしても、先日、メタルにおけるカヴァーで聴いたPET SHOP BOYS「It's A Sin」が、スーザン・ウォンのカヴァーでも聴けるとはね。世界のカヴァー情勢的に、今この曲が盛り上がっているのかしら?などとも考えてみたり。スーザンのそれも、やはりこの楽曲が持つ独特の英国的メロウセンスが引き出された好カヴァーに仕上がっております。

KAMEREON (MQA-CD) (輸入盤)