音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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Nautilus / SEKAI NO OWARI (2024 44.1/16)

SEKAI NO OWARI最新アルバム。ようやく聴いた。2019年頃を最後にほとんど聴いていなかったので、実に5年ぶりにまともに相対した次第。

セカオワの楽曲にはどこか鬱々としたものが基調にあり、そこから目を背けることなく前へと向かうイメージでいたのだけれども、この5年間で何があったのだろうか。

「これは素直にいい曲だとコメントすべきだね」と言った開けた世界で幕を開け、その後に徐々に内面へと向かっていく。そこにあるのはFukaseの中に存在する音の景色の中を自在に歩き回っている、歩き回れるかのような感覚。

うねるような心の暗さは今でもそこに潜んでいるのだけれども、霧が晴れて景色が鮮やかになっていくかのような清々しさが聴き終えた後に残った。

心の襞を闇で埋めていくのとは逆で、そこにかつてあったものを少しずつ洗い流していくかのような作業を音楽を通して行っているかのようにも思えてみたり。中から見るか外から見るかの、その差は非常に大きいはずで。

アルバムを通しての曲の構成からは、かつては激しかった心の動き、浮き沈みが、今では緩やかに流れるかのような移ろいに変わってきたかのようにもうかがえる。

提示された音楽に触れやすくなる、それは音楽を通して親しみやすい存在に変わってきたことと恐らく同義なのだろう。5年のブランクはそのようなものだったのだな。

Nautilus (通常盤)