言わずと知れた名盤の2024年リマスタ。アナログ盤リリースに先行したハイレゾ配信なのかしら。不意打ちで配信されたので少し驚いた。
リマスタとは言え2021年にリリースされた『犬は吠えるがキャラバンは進む』同様、録音レベルはステイさせた模様。ボーカルや楽器の輪郭を明瞭にさせた処理が施されている。
改めて聴き直して思うに至る。これはポップスの一つの理想形なのだろうな。人を幸せに、心を明るくさせる音楽。甘酸っぱい感覚と切なさの両立。
あれから30年も経過したわけなのだけれども、これを聴いて当時の感覚に戻ると言うよりは、この間本当に…本当に色々とあったけれども、取りあえず今もまだ生きてるよ、君はどうしているかな?と訊ねたくなる気にさせられるような心の解放感が導かれるのだよね。お互いきっと酸いも甘いもあったよね、と。
その期間に蓄えられたパンドラの箱の中には何が残っていたのかな?でも、きっとそれが真実なのだよね、と。多くは語らずとも、向き合えば何か通じるものがあるかのように。
この多幸感あふれる音楽は、もしかすると今の時代にはなかなか生まれてこないのかもしれないな。