音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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THE HIT PARADE Ⅱ / TAK MATSUMOTO (2024 Spotify)

B'zギタリストTAK MATSUMOTO(松本孝弘)による21年ぶりのカヴァーアルバム第2弾。

前作は当時ビーイングに所属していたシンガーをメインにフィーチャー、フックアップしていたのに対し、今作では幅広いシンガー、ボーカリストを大々的に迎えての豪華絢爛な一枚に。

今作を制作するにあたって松本孝弘が相当に意欲的であるのだろうと思われるのは、そのサウンドプロダクションを聞いても明らかなこと。気合いの入り方が全く異なり、ギタープレイも、トラックメイキングにもかなり力が入っております。

選曲のレンジが広いのも今作の特徴かと。

オープナーの「六本木心中」でLiSAが時折ドスを効かせて景気よくロックにぶち上げると、GRe4N BOYZがトレードマークであるボーカルワークを見せての「木蘭の涙」を決め、TERU(GLAY)は吉田拓郎の名曲「落葉」を原曲よりも彩度を持たせて歌い上げる。ここまでで個人的にはもう十分すぎるほど。そこで休ませるようなことはなく、稲葉浩志によるねちっこい「銃爪」まで一気にたたみかけると、ようやくここからがメロウモード兼ビーイングゾーン。

とは言ってもそこで耳を休ませてくれるようなことは全くなく、これまた相当な哀愁感と若さで聴かせてくれる「Yes-No」、21年前の背伸び感からは断然大人になったボーカルで魅せる倉木麻衣による「ブルーライト・ヨコハマ」、コーラスワークが曲の美しさを際立たせる「白い冬」、キザに決めたボーカルの中にスケールの大きさを堪能できる上原大史(WANDS)の「時の過ぎゆくままに」、そして新浜レオンによるどハマりな「傷だらけのローラ」と、これでもかとたたみかけられるのであります。

シメは松本孝弘によるギターインスト「俺たちの勲章テーマ」。そしてここでまた気付かされるのです。このアルバムにある統一感、それは間違いなくこの人のこのギターの音によるものであると。

自分自身が松本孝弘のギターに慣れ親しんでいることもありますが、それと同時にギタリストが邦楽カヴァーアルバムを出すことには当然理由があり、楽曲たちへのリスペクト精神はもちろんのこと、それらをモチーフに自分の音を響かせたい、聴かせたいというプレイヤーとしての強い欲、モチベーションがあるからなのでしょう。

ここまで書いて残りで貶すなど、そんな野蛮なことをするつもりは毛頭ありません。このアルバムを完全に万歳ポーズで受け入れている自分がおりますが故。本当に松本孝弘な作品ですよ、これ。

『THE HIT PARADE Ⅱ』 (通常盤) [CD]