『自己ベスト・3』が本日発売になったとのことで、ふとこのシリーズをもう一度掘り下げて聴いてみようと思ったのですよ。その結果、1から3まで一度聴き通した後に2巡目に入っております。
そもそもこのシリーズはリテイクベストということもあってか、リリース当初から自分にとっては実に懐疑的な作品集でありました。あの日あの時から聴いていたオフコースの曲や小田和正の曲が安易に再録音されているように感じられていたのです。
それを今改めて聴き直してみると、しっかりと今(その当時)の小田和正が解釈し直し噛み砕き、その上でリリースされていたものなのだと気がついたのです。全くもって今さらなのかもしれませんが、そこに気づけたことによって、氏の楽曲が持つ強力強靱なエヴァーグリーンさ、全く色褪せることを知らないメロディと歌詞のクオリティの高さを思い知らされた次第なのです。
もちろん収録されている楽曲そのものが選抜部隊ですから、それらの印象はあって然るべきものなのかもしれません。それにしてもどの曲もすっと耳に入り、邪念なく純粋に「ああ、いい曲だ」とどの曲に対しても頷ける自分がここにいるのです。
ここまで書いた全てをひっくるめて、それは自分の経年変化によるものであるのかもしれません。あの頃よりは許容出来るキャパが格段に増えているのは自覚しています。そしてそれよりも前から親しんでいる楽曲群とそれ以降に発表された楽曲群とが、イコールコンディションで届けられていることの素晴らしさに、これまた今さらながら単純に感動してしまうわけなのです。
オフコース時代の繊細さと才気とがあふれている楽曲、氏が年を重ねる毎に深まっていく豊かな人生観を持った楽曲。一列に並べられた際の凹凸が発生しない、見事にトリートメントされたここに収録されている楽曲たち。どこを切り取っても小田和正そのものであり、音楽に対して誠実なその姿勢がうかがい知れる内容になっていたのであります。
自分も齢五十となり、不思議なものでこれまでつかず離れずで聴いていたアーティストの作品がより一層響くようになってきていますね。それは懐古趣味とは異なり、再発見の連続、今だからこそそれらの味わいを堪能出来るようになったのだろうと思うのです。
