1.
人間ドックに行ってきました。人生初の胃カメラも経験。自らの体内を画面越しに見るのは、なかなかに興味深いものがありました。これが俺の内蔵なのかと。俺のモツ。
その往復では星野源の最新作を聴いておりました。あの見た目にいつも騙されるのですが、音楽面において相当にマニアックな方であることをすっかり失念しておりました。そのようなことを思い出されるような、見た目すっきり、中身ぎっしりの作品になっておりました。今作も愛聴出来そうな予感。
蛇足的に書いておくと、Vaundyは米津玄師の延長上にいるのではなく、むしろ星野源のフォロワーではないかと思ったりもしましたよ。
2.
毎年この人間ドックの日はたいそう疲れて帰宅します。本日も帰宅後に椅子の上でぐったりしながら、サイモン・ラトルとベルリン・フィルのシベリウス2番を聴いておりました。
シベリウスの交響曲の中で最も再生回数が少ない本作なのですが、ボンヤリとした頭で聴いていたこれは、ずいぶんと滑らかな作風であるように感じられました。全体的に涼しげな風が流れているかのような。
過去にベートーヴェンの交響曲のようだと抱いた印象は、今回はどこにもありませんでした。なぜそのような印象を抱いたのかと、小一時間過去の自分に問いかけたくもなり。本作に対する微妙な苦手意識はどこから来ていたのだろうか。
3.
ぐったりと軽く午睡を取った後は、サイモン・ラトルとバイエルン放送交響楽団によるマーラー7番を。疲れているのに重いものを聴いておりますが、がっつり聴くというよりは、音を流しつつ、室内軽作業を行っておりました。
5番ほど再生の数を重ねているわけではないのですが、おそらくどこをどう切り取ってもマーラーであるこの作風は、「後世に残る」作曲家としての力を携えているのだと実感した次第。長尺ではあるけれども聴けるのですよね。力とは生命力のようなものなのかもしれません。作曲家としての、作品としての生命力が漲っているがために、長く愛される作品となるのだと。
5.
先日、矢野顕子×上原ひろみのライヴを観てきました。交通アクセスの非常に悪いNHKホールにて。
クラシック音楽で聴くピアノとは全く異なる楽器ではないかと思えてくるほどの、2馬力によるピアノのダイナミクス。終始エンジン全開で飛ばしまくる2人の演奏は、演奏家である彼女らをとことん高次元に追い込み、その波動が観客である自分をとことん圧倒していく様を実感させられました。
今回は上原ひろみサイドの座席で楽しむことが出来たのですが、とにかくその演奏におけるアイディアと捲りの情報量が凄まじく、トリオやバンド、ソロなどで見られる内容とは全く異なる、同じ事をしても意味がないと言わんばかりの勢いの強さに打ちのめされました。
それは矢野顕子との共演共存であると同時に、矢野顕子をとことん追い詰めているような、言葉を悪くするならば尻を叩くかのようなスタイルであるかのようにも見て取れました。既存のスタイルを打ち破り、より高みを目指し、観たことのない世界へと自らとそして観客を誘っていくかのように。
矢野顕子の歌とピアノとが完全に連携しているスタイルと、上原ひろみのピアノを体内に完全に取り込んでいるスタイルとの融合は、どこか地球外生命体を見ているかのような異次元の世界の音楽が展開されているかのようでもありました。
この上ない多幸感と、少しの恐怖を抱いての終演と相成りました。音楽は、すごい。これだからやめられない。

6.
moraで先行販売されているT-SQUAREの新譜が聴けば聴くほどに素晴らしい。J-FUSION大当たりイヤーだった2024年の勢いがここまで続いてくれたかと思えるほどに充実した内容。
新メンバーが2名加入し、ベーシストが正式加入となっての1枚目。新しい風と、既存のT-SQUAREブランドとが、高いレベルで融合されている感を受けました。21世紀型のT-SQUAREがようやくここに来て成立したのではとも思えるほど。
和泉宏隆が逝去し、安藤正容が脱退してのT-SQUAREであっても、T-SQUARE節のようなものは間違いなくここに受け継がれているのだと実感。バンドとしてのキャリアが長く、その先人達が築いてきた音としてのブランドがしっかりと土台にあるからこそ、そこで息吹く新たな命も大きく育つのですね。
かつて伊東たけしと本田雅人の交代劇によって、ドラスティックにT-SQUAREの音が変わった時とは全く異なる形での今回のメンバー新加入は、間違いなく今後のT-SQUAREにとってプラスになるだろうことを、その音を持って実証してくれたように思います。
この新鮮かつ良い意味での既視感がブレンドされた新生T-SQUAREの挨拶状としては、この上ない作品に仕上がっているのではないかと。
7.
ライブやアルバムのレビューが完全に日記の一環として取り込まれている(独立記事になっていない)のは、自分の書く力が明らかに衰えていることを実感しているからであります。
書かなければ衰えるのが文章というものではありますが、書こうとしても衰えている、文章に対する既視感の連続にウンザリするのは仕方がないことなのでしょうかね。
この記述スタイルはまだまだ続くような気がしています。基本的には自分自身に対する記録文でしかないので、これくらいが丁度よいのかもしれませんがね。
そんなこんなで。
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