1991年発表の4thアルバム。
「虹の都へ」のスマッシュヒットを受けてリリースされた「ベステンダンク」も引き続きのヒット。チャートアクションにおいては、高野寛に最も脂が乗っていた時期のウルトラ級ポップアルバム。
問答無用のポップ職人トッド・ラングレンによるプロデュースの下、90年代の煌びやかなポップミュージック、J-POPの幕開けになった作品、マスターピースの一つ。
もっとも、高野寛本人は一連のシングルヒットの流れに乗った楽曲を求められることに疑問を抱いていたと後に語っていたこともあり、そこからいかにして自分自身のポップミュージックを追求していくか、その道へと舵を取る分岐点にもなった作品でもあろう。
師とあがめるトッドの教えを最大限に受け、ポップミュージックとは何であるかと問いかけられ、それに対して楽曲のクオリティで答えていった、高野寛に最も伸びしろがあった時期の作品であるとも言える。
メジャーチューンを徹頭徹尾並べ、力作ともいえるインストナンバー、インタールードも織り込む。突き抜けるかのごとくつとめて明るく、ポップミュージック制作における陰の努力はおくびにも出さず、リスナーに多幸感をもたらす音楽をただひたすらに追い求める姿勢は、現時点での高野寛が持つポップ職人としての矜持、その修養の一環でもあった。
ギタリストとしてミュージシャンのキャリアをスタートさせるはずが、コンポーザー兼ボーカリストとしてのポジションでその名が広まったことへの迷いもきっとあっただろう。それでもこの全体としてのエヴァーグリーンな持ち味はまったく色褪せることなく、今においても煌めきと幾ばくかの甘酸っぱさをもたらしてくれることは、ポップミュージックとして真っ直ぐな芯が通っている証左だと思えるのだ。
