音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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marantz SACD30N 導入レビュー

SACD30N導入

marantz SACD30Nを導入しました。つい先日、同じくmarantzの10年落ちSACDプレイヤーを導入したばかりだというのに。あのプレイヤーであれだけの、自分が満足出来る音が出ていたのです。現行機種を導入したらきっと素晴らしいことだろうと思いが募り、ついうっかりポチッと行ってしまいました。

結果として本当に「素晴らしいこと」となりました。若干エージングに時間は必要だったものの、機器が本気を出してきたら、これまたもう実に自分好みの「濃厚な」出音。SACDかくあるべき、と言った感。この出音を味わってしまうと、かつてのESOTERICとは一体何だったのかと本当に小一時間自分を問い詰めたくなります。

最新機種を導入することで、出音が高解像度に偏ることを若干の懸念材料とはしていたのですが、それも杞憂に終わりました。解像度ももちろん十分でありながら、それ以上の豊かさが音に現れてくれています。これはmarantzの音作りの巧さによるものなのでしょう。

クラシック、ジャズ、ロック、ポップスなんでもござれ。どのようなジャンルであっても、大きな不満を与えられることもなく、「そつなく」ではない、自分のシステムや部屋、聴きたい音楽にとっては十分な存在感のある音を出してくれます。

本気を出してパッケージされているソースを再生させると、音場感もダイナミックレンジも十二分な広さを持った音が出てきます。煌びやかなサウンドは煌びやかに、低域のどっしりとしたサウンドでは揺らぎない土台が、濃厚でありながらも筋肉質に現れてきます。

SACD30Nの素晴らしいところは、LAN接続でのソースでもUSB接続でのそれでも、再生能力がいかんなく発揮され、SACDディスクと全く遜色のない音を出してくれるところにもあります。データの経由に偏らず、音の傾向がしっかりとまとまるのですよね。

こうなってくるとAccuphaseのアンプにはめ込んであるDACボードの存在意義が大きくぐらついてきます。あれはあれで輪郭のはっきりした出音が魅力的なのですが、SACD30Nを経由させることで、この機器の味が加えられた、より芳醇なサウンドになるところが、今は何よりの魅力となっておりまして。この点に関しては、もう少し時間を置いて吟味することとします。

iPadで行うHEOSアプリの操作性も全く問題はありません。NASからの送り出しも問題なく行われます。音楽検索がNAS内のそれとQobuzのそれとでシームレスに行えるところもまたライブラリが擬似的に拡充したように感じられ、ストレスのない音楽生活を送る上でのプラスになります。

フィルタが2種類に限定されているところも、音決めに迷いが発生しないメリットを生んでくれました。デフォルト設定の1でしばらく聴いていたのですが、試しに2に切り替えてみると、音に明るさが発生してメリハリある音を楽しむことができます。実際、切り替えて以降は2で再生し続けています。

本格的なネットワークオーディオが導入出来ることもあって、オーディオ周りのLANケーブルや配線も見直しました。もともとQobuzを高品位再生させるためにLANアイソレータ(TOPWING OPT ISO BOX)を導入してはいたのですが、そこに重きを置いた配線に変えました。ケーブルもシールドのしっかりと入ったCAT8ケーブルに置き換えました。それまでCAT5ケーブルを使っていたのですが、これによってNASからの送り出しデータがLAN経由であっても、USB経由であっても、その出音の差異に頭を悩ますこともなくなりましたね。

現時点で不満点があるとすれば、LAN接続時にNASからソースを送り出した際に、音の冒頭が切れる現象が発生すること。これは例えばアルバムを通して再生する場合には発生しないのですが、楽曲を飛ばし飛ばし再生させようとするとこの現象が現れます。おそらくバッファが追いついていないのでしょう。送り出し機器側の問題なのか、再生機器の問題なのか、切り分ける上での経験値が若干求められるような気がします。

光入力と同軸入力の出音は試していません。自分はその接続環境を必要とはしていないものでして。

オーディオ的な派手さを抑えた、高級感ある外観も素敵。部屋の電気を消すと、ギミック的なイルミネーションが機器を彩るのです。なかなか凝っております。

最後に。

今回、SACD30Nを導入するにあたってマイナートラブルも発生しました。室内のネットワークの配線を変えたことによってNASがネットワークから消えたままで現れない、送り出されたデータ量に対してアイソレータのスループットが追いつかない、等々。

いずれも軽微なトラブルであり、ネットワークに関して何ら抵抗のない自分にとっては問題なく解決出来たことではありますが、これがPCを含めネットワークに疎い方がゼロから組み上げるとなると、相当なハードルになるのだろうと思うに至りました。

ディスクメディアを再生するだけであれば昔ながらの配線や知識で応対出来るものですが、ネットワークオーディオとなると本当にその分野の基礎知識が必須になってくるわけで。接続するだけで音が出る世界、ではないのですよね。

オーディオを取り巻くアナログ回帰の動きは、このようなところにもその要因があるのではないかと思った次第です。

以上、marantz SACD30Nを導入して一ヶ月弱でのレビューを含めたあれこれでした。