アンジェラ・アキに関してはそれほど熱心なリスナーというわけではないのだけれども、新譜が出る旅になぜか気になって借りてきてしまう。それほど自分が入りこめる歌詞の世界というわけではなく、最早BGM的に聴き流す存在ではあるのだけも、聴けばそれなりに満足してしまう。自分との距離が不思議なところにあるアーティストなのであります。
浄夜 / 花村萬月 (2005)
花村萬月といえばねちっこい性的描写に特徴があると思うのだけれども、今作は全体的な構成も併せてずいぶんと拍子抜けな。純文学的文章に翻弄されたと思ったら、最後の最後で放り出されてしまったような感覚。なんか時間潰しの1冊で終わってしまったような。
SQUARE THE CIRCLE / 川田まみ (2012)
予備知識無しに借りてきた。トラックはどことなくシンセ中心のトランシーミュージック。これはこれで好みなのだけれども、致命的にボーカルに個性がない。声の抜けが悪いというか。メロディラインも魅力に欠ける。うーん、なんか惜しい。
Privateering / Mark Knopfler (2012)
2枚組の大ボリュームだけれども、つるっと聴けてしまった。安心のノップラー印。必要最小限の楽器と、どこか軽やかなカントリーミュージックライクなところが聴いている時間を忘れさせる。キラーチューンはないけれども、雰囲気で勝ちに来た作品か。これでアメリカ人ではなくイギリス人だということにあらためて驚かされる。そうなんだよなー。どこまでもアメリカな音楽なんだけれどもなぁ。
Release / PET SHOP BOYS (2002)
もう10年前の作品だけれども、一向に色褪せる気配を見せない。この作品ではアコースティックに傾倒したPSBだけれども、この哀愁漂うメロディとボーカルがユニットとしてのアイデンティティを確立させている。緩やかに息絶えるようなアルバム。