音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

WELCOME BACK! 本田雅人 / T-SQUARE (2023 DSD64)

2時間以上の長尺ライヴアルバムですが、もう既に3回ほど聴いております。飽きない。安藤正容が勇退し、自由度が増した最新のT-SQUAREの姿を捉えるライヴ記録としては、この上ない出来。

聴けば聴くほどに、今の音とあの時の音との共存であると思わされるのです。今の音を支えているのは坂東慧のドラム、そのプレイスタイルなのだよね。明らかに今のT-SQUAREの骨子を作り上げているリズムと音。そこに昔と今とを橋渡ししている伊東たけしのサックスが乗り、時間を飛び越えて本田雅人が加わるという図式。

自分の記憶が間違っていなければ、伊東たけしと本田雅人の共演記録音源は『Farewell & Welcome』以来ではないかと。あの時のソリッドなT-SQUAREの音と、今のグルーヴィーなT-SQUAREの音との違いを楽しむのもまた一興。その差異もやはり坂東慧が支配、コントロールしているように思われるのだよね。

このように聴き所が多数あって面白いのです。恐らくまだまだ聴き込めば発見があるはず。坂東慧による選曲もドンピシャではないかと。見事な構成。4月にリリースされる映像メディアも期待大です。既に予約済。ええ、何だかんだで本田雅人の存在が大好きなのですよ、自分は。

WELCOME BACK!本田雅人 (Blu-ray) (特典なし)

MTV Unplugged : RHYMESTER / RHYMESTER (2021 48/24)

昼前から桜狩りと称して、実際のところは2月に納車されていたタウンバイクのシェイクダウンへ。ほぼ平坦な道を15kmほど走って、具合を諸々確認。自転車の具合と自分の身体の具合をね。

帰宅後にやや腰がダルくなったのは、バイク乗りの姿勢のせいでしょう。25年ぶりのタウンバイク(正確には25年前はシクロクロスに乗っていた)なので、独特の前傾姿勢が身体に全然馴染んでなかった模様。帰宅後しばらく椅子に座っていたら、そのダルさも抜けました。

その後昼食を摂り、部屋の片付けなどをしながらこのアルバムを。

MTV Unplugged : RHYMESTER [CD]

RIDE ON TIME / 山下達郎 (1980/2002 44.1/16)

朝の二発目に。

よくよく考えてみると、今日は在宅勤務最後の休日だったのですね。4/1、土曜日からは通勤生活に戻るのか。それはそれで面倒な話ではある。

とまぁ、色々な事を考えながらこのアルバムを。今日はやりたい事が色々とあるので、昨日ほど音楽にかまけている時間はないかな。

RIDE ON TIME (ライド・オン・タイム)

マーラー:交響曲第5番 / フランソワ=グザヴィエ・ロト, ケルン・ギュルツェニッヒ管弦楽団 (2017 44.1/24)

数年前まではテンシュテットのように全編にわたって苦悩が横たわるかのようなマーラーを好んでいたのだけれども、自分の心境の変化を伴ってのことなのか、ここ数年のコロナ禍における閉塞的な世間に対するアンチテーゼが自分の中で働いてなのか、この録音のように根底に歓喜が宿るマーラー第5番の方がより好ましいと感じられるようになっていた。

きっかけはマーラーマニアな友人が「石橋を叩いて渡るような演奏」と評したヴァンスカの澄んだマーラーであったり、また、マーラーに対する印象を大きく変えてくれたストレートで力強いバーンスタインのマーラーであったりと言った、美しく、もしくは明るさのあるそれに触れたからなのかもしれない。

ロトの指揮によるこれは、マーラー第5番そのものが持つ影は影として、そこに光を当てることによって、より姿形を浮かび上がらせようとしているかのように捉えることが出来た。

マーラー : 交響曲 第5番 (Gustav Mahler : Symphony no. 5 / Gurzenich-Orchester Koln | Francois-Xavier Roth) [CD] [輸入盤] [日本語帯・解説付]

シューマン:交響曲第1番「春」 / フランソワ=グザヴィエ・ロト, ケルン・ギュルツェニッヒ管弦楽団 (2020 44.1/16)

続いては何とはなしにシューマンの項を。この録音が1位になっていた。この音源は持っていたのだけれども、しばらく聴いていなかった。購入当初は喜んで聴いていたのだけれども、存在を忘れてしまっていた。

改めてギアの切り替えがはっきりした演奏であると。それによって楽曲が持つの駆動力がより一層魅力的に感じられるのだよね。それを下支えする演奏の重厚さと筋肉質な流れとのハイブリッド感が、聴いているこちらをワクワクさせる。端的に言うと、画面のスイッチングの妙と過剰ではないドラマティックさ、その采配と匙加減が見事なのよね。

Schumann.. -Sacd-