音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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メカクシティレコーズ / じん (2013)

今日だけで3回も聴いている。ようやく曲毎の表情が見えてきた次第。うん、このアルバムは起伏があって好きだ。単なる疾走感だけに終わっていないし、前作では少々物足りなかった打ち込み系のサウンドもしっかりと作り込まれているし、結構聴きごたえがあるのではないかと。外部アレンジャーを立てたのは正解だ。

桐島、部活やめるってよ / 朝井リョウ (2012)

結構前からそのタイトルだけは知っていた作品。書店で目にとまったので、これも機会だろうと思い読んでみた次第。ま、青春劇ですな。ほとんど作中には登場しない桐島を軸に、ひとつの学校内にあるヒエラルキーの中で若さの葛藤を描くといったところか。軽く読み流すにはちょうど良い程度の作品でありました。

咲くや、この花 左近の桜 / 長野まゆみ (2013)

長野まゆみの作品を読むのは10年ぶりくらいのことかもしれない。なんとなく書店で目にとまったので、久しぶりに読んでみようかという気になった。帯には「このうえなく風雅で官能的な幻想奇譚集」と書かれており、「あぁ、長野まゆみは男性同士の少し湿気のある人間関係を描くのが得意な人だったなと思い出した。

この作品も、一話一話が軽妙に、しかし舞台はこの世のものではない世界で描かれている。うつつの中で夢の扉をうっかり開いてしまった挙句、気づくと何事もなく時間軸は進んでいるという基盤の中で、確かに奇譚と言える物語が紡がれる。以前読んでいた時よりも、すんなりと自分の中に入ってきた感がある。長野まゆみは久しぶりに手を出してもいいかもしれない。問題は何を過去に読んだかをすっかり忘れてしまっていることだ。